2018年03月17日

【遠距離恋愛】

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志賀直樹は、A商事の大阪支社に転勤になって2年が経つ。

直樹には、恋人がいた。

吉野礼子24歳、直樹より2歳年下だ。

合コンで知り合った。

たまたま隣の席に座った。

美人というよりは、男好きする顔立ちである。

彼女は、N物産の経理をやっているそうだ。

「お名前聞いてよろしいか。」

「はい、吉野礼子と申します。24歳で、N物産の経理部におります。」

N物産て大手ですから、忙しんじゃないですか。」

「いいえ、私は、主に雑用ですから、コピー取りとか、資料作成の手伝いとか

そんな感じです。お茶汲みは、基本的に禁止ですから、お客様が見えた時だけ

順番制でやっているんです。」

「僕は、志賀直樹といいます。A商事の営業部にいて、毎日飛び回っております。」

A商事の方が、大手じゃないですか。海外勤務なんかもあるんですか。」

「そうですね。可能性としては、ありますね。海外に15社支店がありますから。」

「今は、中国が多いかな。」

「僕も時々中国へ出張に行くんです。」

二人は意気投合し、メアドも交換し、次のデートの約束もした。


何回かデートを重ねるうち、男女の関係になっていた。

どちらかというと、直樹の方が積極的であった。

あるとき、ふと直樹は気付いた。

デートの日はいつも木曜日が多いことに。

「俺たち、いつも木曜日にデートが多くないか。」

「そうかしら、わからなかったけれど、ただ土日は、サークルとかスクールに通っているので、今のところダメなのね。あと皇居周りのランニングとかしているから、結構1週間予定がつまっているのよ。」

「だからじゃない。」

直樹は、その時は納得した。

それに彼女はあまり私生活を話したがらないことにも気付いた。

熊本から上京して、こちらの大学を出て、N物産に就職したことぐらいだ。

直樹は、聞きたかったが、つまらん男と思われるのが嫌なので、敢えて聞かなかった。


直樹は、大阪支社に転勤になった。

「俺、大阪支社に転勤になったよ。」

「えー、いつまで。」

「早くて3年遅くても5年かな、それで本社に戻れば、係長かな。次は、海外転勤で

アメリカなら取締コースだね。」

「本社に戻れなければ。」

「まっ、コースから外れたということで、地方の営業所周りかな。」


それから遠距離恋愛が続いた。

金曜の最終で、東京に着き、日曜の最終で、大阪に帰るパターンが続いた。

礼子は、僕のためにサークルもスクールも辞めたと言っていた。

二人で、彼女のマンションで過ごすことが多かった。

DVDを見たり、ゲームをやったり、後はセックス。彼女は燃えた。

帰る時は新幹線のプラットフォームまで送ってくれた。

彼女は泣いていた。

長いキスをした。

発車のベルがなるまで。


普段は、メールかラインで会話をしていた。

しかし、だんだん回数が減ってきた。

直樹も忙しかったから、気付かなかったけれど、彼女からの返事が来なくなった。

今になって思えば、木曜日しか会えないなんて変なことぐらいわかるはずだった。

思い切って、N物産に連絡した。

「お調べしましたけれど、当社では吉野礼子という職員はおりません。」


(了)


Masayuki Simomura 作

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2018年03月16日のつぶやき




















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