2018年03月16日

ストーリー





結城美保16歳 。


高校2年生、彼女がいま凝っているのが、引き寄せの法則である。


強く願えば叶う。10年後素敵な男性と結婚し、幸せな家庭を築く。と高校生らしい


願いを強く、強く願っていた。




10年後彼女は、東京の広告代理店に就職していた。


大手のクライアントを多数持つ大手の広告代理店だ。そこは、完全な男社会で、彼女のしごとは、コピー取り、企画書の清書、会議の資料作りと雑用事務ばかりだった。


しかし、制作会議には、出席させてもらえた。

時には、深夜まで続いた。


時々、彼女も提案するが、すべて却下されてしまった。それに対して彼女はめげなかった。


「どうせそんなもんだろう。」自分もいると云う事をアピールしただけ。


仕事に関するモチベーションは、全然なかった。彼女の願いは、素敵な男性と結婚することだけ。




ある時、大手自動車会社から女性向けの軽自動車のCMの依頼がきた。


例によって会議が行われた。中々意見がまとまらなかった。課長が、美保に意見を求めてきた。


「女性向けの車だから、女性としての意見を聞かせてほしい。」


「はい、基本的に女性も男性も無いのですが、女性は、かわいい物に心が惹かれます。


それで、いっそ全編イラストでいったら、どうでしょう。」


と美保は、とっさに応えた。


「イラストか。悪くないな。」


結局、美保の意見が通り、イラストとリアルの女優の組み合わせできまった。


担当も美保になった。美保としては、初めての仕事だった。


俄然忙しくなった。イラストは、以前から大好きだったS女史に依頼した。大御所である。


何度も足を運んだ。その間、制作会社から大筋の絵コンテが出てきた。気にいらなかった。


やり直しを命じた。そこでも揉めた。三顧の礼を尽くして、S女史が承諾した。S女史にとっても初めてのCMだった。美保は、コンセプトを説明した。2,3チェックが入り、


すべてを任せて欲しいという要望だった。美保にとっては、有難かった。


撮影に入り、新進気鋭の女優だった。撮影は順調にすすみ、予定より早く終わった。


出来あがった映像を見て、S女史も美保も最後のセリフが気に入らなかった。


なんとなくまとまっている感じだった。ここで、議論が交わされた。いろんなフレーズが出たが、今一だった。女優の次の撮影の時間が押してきた。今日中に終わりたい。


美保は思い切ってS女史に自分の本音を言った。女史は、微笑んでOKがでた。


CMは、S女史の世界感が出て、好評だった。最後のセリフは、「結婚したい。」だった。


これが当たって、流行語にもなった。




そのころ、美保は二人の男性からほぼ同時に告白された。


一人は、スポンサーの若手社員Aで、長身で、結構いい大学も出て、会社のホープだった。


もう一人は、撮影会社のADBで、冴えない格好で体形も良くなかった。


美保は、思った。10年前の願いが叶ったのか、分からなかった。取り合えず、二股をかけた。Aは、自信たっぷりで、気遣いもさりげなく、デートをしていても楽しかった。


美保は、「こいつ随分、女性の扱いに慣れているな。結婚しても。浮気の可能性大。」


Bは、無口でなにをするにも自分で決められなかった。しかし、美保に対しての優しさは、伝わってきた。「こいつは、出世は無理だな。しかし、家庭は大切にしてくれそうだ。」


美保は、悩んだ。これは、私自身が引き寄せたんだ。私自身の心の中が、具現化したんだ。




美保は、決断した。二人には、お断りをした。


「今の自分は、過去の自分が作ったものだ。そうしたら、将来の自分の姿を決めるのは


今の自分だ。」


「どんなストーリーになるのだろう。」




(了)


Masayuki Simomura 作


posted by siimo at 23:26| Comment(0) | ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月13日

自分を信じる

自分を信じる.jpg


江原百合子 22歳夏

自分には夢がある。

プロゴルファーになることであった。


小さい頃から父に教えてもらい。

小中高とゴルフスクールに通っていた。

アマチュアの大会に出たことも幾度かあるが、成績は今ひとつであった。

「自分には才能ないのかな。」

と諦めかけた時もある。

しかし、ゴルフの夢は捨てきれず、ゴルフで有名な大学に入った。

4年間、レギュラーにはなれなかった。


父には、

「諦めて、どこか就職しなさい。そして嫁にいけ。」と言われていた。

ゴルフ部のコーチには、

「君は、ゴルフの技術はレギュラーでも上位に行くだろう。しかし、何かが足りない。

マインドの部分で最後に逃げるところがある。

優勝がかかった最後のパットを外すタイプだ。」

「プロにとってこれは、致命的な部分だ。」とはっきり言われた。


これで最後にしようと自費で地方のプロアマ選手権に出場した。

予選は通過した。決勝も調子良く、1位に1打差まで追いついた。

「よし、優勝する。」と思った。

17番ホール、ボールを大きく右に曲げてOBになった。百合子は焦った。

ドライバーには自信があったし、今日はドライバーの調子もよかったのに

突然、曲がった。アイアンに持ち替えて、打ち直した。

その後もバンカーに入れるなどして、結局最後はトップと8打差の10位に終わった。

17番、18番で8オーバーだった。

「もったいない。あれがなければ、もしかして」と唇を噛んだ。

終わった。残念だけどここまでか。諦めようと帰り支度をしていたときに

「残念だけど、諦めよう。と思っているでしょうあなた」と声を掛けられた。


プロコーチの大下朋子プロだった。

「あなたには、才能があるわ。ただ、決定的な欠陥がある。」

「私のところに来る気ある?。本当にプロになりたいのなら教えてあげるわ。

ただし、厳しいわよ。本当にプロに成りたかったら、ご両親と相談して私のところへ来なさい。」と思いも寄らない声をかけてもらった。

大下プロは、最近ではあまり聞かないが、かつては、多くのプロゴルファーを輩出させた名伯楽である。百合子は喜んだ。


父親は、反対した。

「プロゴルファーになるには、何千分の1だぞ。まして、金を稼げるプロは、その何百分の1だ。お前には、無理だ。お嬢様育ちの遊びのゴルフでは、プロにはなれない。」

百合子は、説得した。何度も、何度も。最後は、父も折れた。しかし条件が出された。

3年かけて、プロ試験に合格しなければ、諦めろ。」


次の日から大下プロの家で、住み込みで練習生になった。練習生は、百合子のほかにいなかった。プロは独身だった。当然、住み込みだから、朝は、5時起床、家の掃除、食事、洗濯、など家事はすべてやらされた。

「ちょっと違うんじゃないの。いつになったら教えてくれるのよ。」

「これじゃ、体のいいお手伝いさんだよ。」と百合子は思った。特に冬の朝はキツかった。

いつもママに起こされていたし、大学は、大体午後から授業に出ていたくらい。朝が苦手だった。それが、今では自然に5時に起きられるようになっていた。


プロが「そろそろ、練習をしようか。その前に言っておく。お前の最大の欠点は、精神力だ。でも精神力の弱いトッププロもたくさんいる。いるが、それを気の遠くなるくらいの練習量でカバーしてきた。そして、自分に自信を付けてきた。大事なのは、自分を最後まで信じることが出来るかどうかだ。自分を信じて、平常心でプレーが出来るかどうかが、トッププロと2流プロの違いだ。あの時の17番、お前は優勝を意識しただろう。意識したために、必死でやっていた心に欲が出た。それでフォームがわすかに狂い、OBになった。

その後は、もう精神的に混乱していた。」図星だった。返す言葉が無かった。

「でもお前には最大の武器がある。ドライバーじゃない。パターだ。パターだけは、才能がいる。お前には、その才能がある。だから私はお前に声を掛けた。弟子を取らないつもりでいた私から。」


それから、火の出るような猛練習が始まった。毎日、来る日も来る日も、手には豆ができてそれが潰れてタコになって、タコの上に豆ができて、それが潰れてタコができるくらい練習した。


百合子 25歳夏

彼女はプロテストを受けていた。最終選考会まで残った。トップの位置にいた。

1打差だ、ミスは許されない。

17番ホール。百合子は、ティーアップした。

ドライバーを握っていた。百合子は、思った。

「自分を信じろ。大丈夫、私には出来る。」


(了)

Masayuki Simomura 作



posted by siimo at 21:58| Comment(0) | ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月12日

心は人の痛みがわかるために使う

「心は人の痛みがわかるように使う」の画像検索結果

口は人を励ます言葉や、感謝の言葉を
言うために使おう。


耳は人の言葉を最後まで聴くために使おう。


目は人の良いところを見るためにに使おう。


手足は人を助けるために使おう。


心は人の痛みがわかるために使おう


腰塚勇人より引用

Masayuki Simomura
posted by siimo at 18:01| Comment(0) | ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする